日本におけるWordPress利用実態:圧倒的シェアの理由と活用の広がり、そして課題とは?


近年、企業のWebサイトや個人ブログ、ECサイト、教育機関のオウンドメディアなど、あらゆるWebコンテンツの基盤としてWordPressが広く活用されています。特に日本では、WordPressがCMS市場において80%以上という圧倒的なシェアを占めており、その人気は年々高まるばかりです。

本記事では、日本国内でのWordPressの導入実態、利用企業の業種傾向、活用の利点や懸念されるセキュリティリスク、そしてプラグインやテーマの活用状況などを、統計と事例を交えながら詳しく解説します。


WordPressの日本でのシェア:CMSの中で圧倒的存在

日本国内で稼働しているCMS(コンテンツ管理システム)のうち、WordPressの利用シェアは80%を超えると言われています。調査によってはその割合が83.8%に達するという報告もあり、2位のShopify(3.0%)、3位のWix(2.0%)とは大きな差をつけています。

世界全体でもWordPressの存在感は非常に大きく、全Webサイトの43.6%、CMS利用サイトに限ると62%以上がWordPressを採用しているというデータもあります。

このような高いシェアの背景には、次のような要因があると考えられます:

  • 無料かつオープンソースであること
  • プログラミングの専門知識がなくても構築可能
  • プラグインやテーマによる拡張性
  • 日本語対応や情報量の豊富さ
  • 大規模から小規模まで幅広いWebサイトで活用可能

WordPressを活用する企業や組織の業種傾向

WordPressは、特定の業種に偏ることなく、実にさまざまな業種で導入されています。以下に主な用途と業界を整理してみましょう。

● 主な用途

  • コーポレートサイト(企業の紹介・採用ページ等)
  • オウンドメディア(コンテンツマーケティング)
  • ランディングページ
  • ECサイト
  • 会員制サイト
  • 教育機関の情報発信サイト
  • ギャラリー・ポートフォリオサイト
  • ブログ・レビュー系サイト

● 活用業界例

業種特徴・利用目的
教育機関東京大学、早稲田大学など多くの大学が採用。学部案内や講義情報等の発信
公共機関・官公庁情報公開と市民サービスとしてのWeb利用
メディア記事投稿のしやすさ、SEOへの親和性の高さを評価
IT・Web制作クライアントへの提案・開発ベースとして採用多数
小売・ECWooCommerceなどの活用でECサイトを自社運用可能に
サービス業飲食、美容、宿泊などの予約・紹介・ブログ更新など
製造業製品カタログや納入実績の掲載

このように、WordPressは業種を問わず導入が進んでおり、情報発信に関わるすべての分野で活用されています。


セキュリティリスクと対策:人気ゆえの脆弱性リスク

WordPressの普及が進む一方で、セキュリティ面でのリスクも無視できません。以下に代表的なリスクとその対策をまとめます。

● 主なセキュリティリスク

リスク内容説明
不正アクセス/情報改ざんサイトの表示が崩れる、内容を書き換えられるなどの被害
情報漏洩会員情報や問い合わせ情報などの個人情報の流出リスク
テーマ/プラグインの脆弱性外部製作者によるコードに問題があると、乗っ取りや情報抜き取りの危険がある
パスワードハッシュの弱さコア部分の認証情報管理の甘さが狙われるケース

● 脆弱性事例

  • 「Motors」テーマに管理者権限を乗っ取れる重大な脆弱性(2025年報告)
  • 人気プラグイン「Relevanssi」や「Ultimate Member」にも複数の脆弱性が報告
  • WordPressコア自体にもハッシュ処理の脆弱性が発見されている

● 推奨されるセキュリティ対策

  • 定期的なテーマ・プラグイン・コアのアップデート
  • 信頼できるテーマやプラグインのみを導入
  • セキュリティプラグイン(例:Wordfence、SiteGuard)の活用
  • 管理者アカウントの多重認証化(2段階認証)
  • 不要な機能やアカウントの削除

WordPressは誰でも利用できる利便性ゆえに、攻撃者にも狙われやすくなっています。そのため、「使うなら守る」ことが必須条件となります。よく言われるのですがうちのような小さなサイトに‥。と思っていてもサイトの大小や有名か否かなどは関係なく常に攻撃対象になっていると思っておいた方がいいです。特に数年前に作ったままでWordPress本体の更新等行っていない場合は一度チェックしてみてください。


使いやすさとカスタマイズ性の高さ

WordPressの最大の魅力の一つが「使いやすさ」です。以下のように、初心者から上級者までが満足できる柔軟な設計になっています。

● カスタマイズ性

  • HTML・CSS・PHPによる完全な自由カスタマイズが可能
  • 管理画面からの簡易編集にも対応
  • 豊富なテーマとプラグインにより、ノーコードでも多機能化可能

● 運用のしやすさ

  • 複数人による権限分担(編集者/投稿者/管理者など)
  • 投稿履歴の管理やスケジュール予約機能も充実
  • ノウハウ共有サイトやフォーラムも多数存在し、トラブル時も安心

プラグインとテーマの活用状況

WordPressが多くのニーズに応えられるのは、プラグインとテーマの存在が大きく貢献しています。

● プラグイン活用の実態

  • WordPressには70,000種類以上のプラグインが存在
  • EC、検索、問い合わせフォーム、SNS連携、セキュリティなど多機能に対応

▼代表的なプラグイン

プラグイン名用途
WooCommerceECサイト構築
Contact Form 7お問い合わせフォーム
Relevanssi高度な検索機能の強化
Ultimate Member会員管理/プロフィール編集
Elementorノーコードのページビルダー
SiteGuard WP Pluginセキュリティ強化

● テーマの多様性

  • 30,000種類以上のテーマが公開
  • 業種別、業態別、目的別に細分化されたデザインが豊富
  • モバイルフレンドリー(レスポンシブ)設計が標準化

日本におけるWordPressの今後

日本国内におけるWordPressの普及状況を俯瞰すると、以下のような特徴が浮かび上がります。

● WordPressの特徴と強み

  • CMS市場での圧倒的なシェア(80%以上)
  • 教育、官公庁、メディアなど幅広い業界での活用
  • 高い拡張性と運用の柔軟さ
  • 豊富なプラグイン/テーマによるカスタマイズ性

● 課題とリスク

  • テーマ/プラグイン由来のセキュリティ脆弱性
  • 適切な運用・保守が行われないと高まる被害リスク

● 今後の展望

  • セキュリティ意識の向上と体制整備が今後の鍵
  • WebアクセシビリティやSEOの標準化への対応強化
  • プラグイン/テーマの審査制度強化による信頼性向上
  • 日本語ドキュメント・学習教材の充実によりさらに裾野が広がる可能性

最後に

WordPressは、もはや一部のIT企業だけのツールではなく、あらゆる業界において「情報発信の基盤」として欠かせない存在になりつつあります。利便性の裏にはリスクも伴いますが、それを理解し適切に運用することで、WordPressは非常に強力なWeb戦略ツールとなるでしょう。

今後もWordPressの進化は続きます。日本においてもその波に乗り遅れることなく、安心・安全な活用と発信力の強化を図っていきたいものです。